お家で最期を迎えるということ。

昨日NHKの番組で終末医療について放送されていました。
自宅で看取るという内容でした。八十代の男性が病院から家に戻ってきて最期を迎える一週間のドキュメンタリーでした。

 そのご家族は16年前にその男性の奥さんを自宅で看取った経験から自宅で看取る選択をしたそうです。
ご自宅は都会ということもあってか、十分に広いとは言えない環境。でもご自身にとっては一番の落ち着く空間。
男性のお子さん、3人、在宅医療のスタッフ、緩和ケアのスタッフさんなどと 連携して男性を支えます。

 番組の初めの方ではお話をする男性は死期が近いとは思えないほど明るく、(関東の人だろうと思いますが)粋な感じ。ちゃっきちゃきです。

 しかし、日を追ってできることが限られてきます。お風呂場から立ち上がるのがつらくなり、スタッフにお手伝いしてもらうのですが、「自分の足で杖をついてベットまで帰る。」とおっしゃいます。結局40分かかってベットまで帰ってこられました。ご自身もご苦労されたと思いますが、見守っている家族とスタッフが本人の意思を尊重されていることが素晴らしいと思いました。

 そしてまたある日は、食事について、お子さんと喧嘩をされていました。些細なことなのでしょうが、きっと体が動かなくなることに対してのご本人のいらだちもあるでしょうし、お世話されているお子さんのご苦労もあって喧嘩になったのだと思います。

 でも、雨降って地固まる。喧嘩を仲直りして、お子さんととても仲良く次の日を過ごされました。

 大好きなおつくりを食べて、お休みになってそれから、ずっとねむって。。

 あまり起きないので御家族がお医者様を呼ばれました。
 お医者様のお見立ては「臨死期」。もう旅立つご準備、とのお話。1〜2日の間に逝かれるだろうと。

 そのお言葉通り、次の日お亡くなりになりました。

 見ている私はすごく悲しかったのですが、いのちのすべてを燃やして穏やかにお亡くなりになった男性と、送れた家族の方を、納得のいく形で送れてよかったと思いました。

 在宅で看取る形にするのは、病院で同じ環境(個室にしてリラックスできるようにするなど)で過ごすよりも金銭的には負担は軽いそうです。ただ、在宅ケアのスタッフ、緩和ケアのスタッフ、ご家族の体制などで実現できるか分からないそうです。
 また、在宅介護と違い、いのちが燃え尽きるその時にあわせてのケアなのでおおむね、一カ月から2週間程度との話でした。
  
 小さいころおばあちゃんっ子だった私は、小学生のころから福祉番組を見てホスピスの存在など終末医療について考える機会が多かったので、まだケアきる現状が整っていないのは残念ですが、でもここまで進んでくれた。という思いもあります。

 自分のおばあちゃんは亡くなる当日まで家でお世話できました。母が病気だったため、父と私が中心の介護でしたが何かするたび「ありがとう」と言ってくれてつらいと思う日はありませんでした。
 母も鬼籍に入っていますが脳内出血でいきなり旅立ってしまったのでお世話は特にできませんでした。
 
 現在父と義母は健在です。
  
 現況で自分が何ができるかわからないのですが、その時が来るまでにいろいろ情報を集めておくのは悪くないと思います。
 たくさんのご家族に納得がいく旅立ちができるようになればいいと思いました。